修理補修について
屋根の葺き替えの基礎知識|メリット・デメリットと費用相場
屋根の下地が傷んで雨漏りが発生していたり、屋根材自体が寿命を迎えていたら、屋根を一新できる「葺き替え工事」がおすすめです。
古い屋根材を撤去して下地を新しくするため、屋根の耐久性を元通りにすることができます。
選ぶ屋根材によっては、これまでよりも頑丈な屋根に仕上げられるのも嬉しいポイントです。
ただ、屋根の葺き替えは金額が大きいため、絶対に失敗したくないはず。
また、メリット・デメリットやコスト面も気になるところです。
そこで本記事では、神奈川県横浜市・川崎市で外壁屋根塗装を手がける「浜翔ペイント」が、「屋根の葺き替え」について詳しく解説しました。
・屋根の葺き替えの特徴
・葺き替えのメリットとデメリット
・葺き替えの費用の目安
などをご紹介しています。
最後まで読めば、葺き替えの基礎知識からおすすめの屋根材までさっと確認することが可能です。
屋根リフォームをお考えの方は、ぜひチェックしてみてください!
屋根の葺き替えの基礎知識
はじめに、屋根の葺き替えとはどのようなものかをご説明していきます。
屋根葺き替えの特徴
屋根の「葺き替え」は、屋根の下地と屋根材を全て新しくする屋根リフォームのことです。
既存の屋根材を全て取り払い、防水紙や野地板といった下地を全面的に補修してから、新しく用意した屋根材を設置します。
屋根材自体が寿命を迎えていたり、屋根材や下地の破損が著しかったりと、塗装メンテナンスでは屋根の耐久性を補えないような場合に、屋根の葺き替えはおすすめです。
最近では、耐震性を考慮して、重量のある和瓦から軽くて丈夫な金属屋根材に葺き替える方も多く見られるようになりました。
「葺き直し」とは?
屋根の葺き替えについて調べていると、「葺き直し」という言葉もよく目にするのではないでしょうか?
「葺き直し」は、既存屋根材を処分する葺き替えと違って、もともと使用していた屋根材を再利用するやり方です。
寿命が50〜100年ともいわれる「和瓦」を使った家屋に施されるリフォーム方法となっています。
和瓦自体の寿命は大変長いのですが、下地にあたる防水紙や漆喰などは、20年ほどで傷みが生じるようになります。
葺き直しで施工をすれば、まだまだ使える和瓦を再利用しつつ、下地を綺麗にすることが可能です。
屋根の葺き替えを行うタイミング
屋根の葺き替えは、屋根材自体の寿命に合わせて行うのが一般的です。
屋根材の材質によって耐用年数は異なるため、ぜひ以下の表を参考にしてください。
屋根材の種類 | 耐用年数の目安 |
和瓦 | 50〜100年 |
セメント瓦 | 30〜40年 |
スレート瓦 | 10〜35年 |
ガルバリウム鋼板 | 20〜40年 |
トタン | 10〜15年 |
ただ、こちらはあくまで目安にすぎず、劣化の進行具合は住環境などによって大きく左右されます。
屋根の傷みを放置すると、雨漏りのリスクが高くなるだけでなく、修理をする際のコストが大きくなりがちです。
5〜10年を目安に業者による定期点検を受け、必要に応じて補修や塗装メンテナンスを行うようにしてください。
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「葺き替え」と「カバー工法」の違い
屋根リフォームの方法には、葺き替えだけでなく、既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる「カバー工法」というやり方も存在します。
両者の違いを比較したものを、以下の表にまとめました。
葺き替え | カバー工法 | |
特徴 | 古い屋根材を撤去して下地も新しくする | 既存屋根材の上に新しい防水紙と屋根材でカバーする |
価格の目安 | 120〜210万円 | 100〜150万円 |
工期の目安 | 7日〜14日ほど | 5日ほど |
メリット | ・屋根の耐久性がアップ ・耐震性が向上 |
・葺き替えより安価に施工できる
・工期が短い |
デメリット | ・施工価格が高め
・工期が長い |
・「和瓦・セメント瓦・モニエル瓦」には施工できない
・下地が腐食していたら施工不可 |
カバー工法は、下地補修や屋根材撤去の手間がかからない分、価格が安く短い工期で施工できます。
ただ、屋根全体の重量が増すため、重たい和瓦には施工ができません。
また、波型をしているセメント瓦やモニエル瓦もカバー工法に適していないので注意してください。
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屋根の葺き替えのメリット
ここからは、屋根の葺き替えをするメリットをご紹介していきます。
屋根の耐久性を取り戻せる
屋根の葺き替えでは、野地板や防水紙といった下地も一新するため、屋根の耐久性を元通りにすることができます。
下地の寿命の目安は、おおよそ以下のようになっています。
- 防水紙→20年前後
- 野地板→30年前後
新築からかなり長い年月が経過していたり、頻繁な雨漏り被害で悩まされたりしている方は、屋根の内側も補修できる葺き替え工事がおすすめです。
軽量な屋根材を選べば耐震性向上
和瓦のような重量のある屋根材から軽量な金属屋根材に取り替え、屋根全体を軽くすることで、耐震性の向上が期待できます。
例えば、アイジー工業株式会社が販売している金属屋根材の「スーパーガルテクト」は、和瓦の10分の1の軽さです。
屋根が軽くなると、地震が起きた時の家屋の揺れ幅が小さくなるため、家屋への負担を低減することができます。
また、重たい和瓦が落下して人にぶつかるといった二次災害が発生するリスクも心配もありません。
地震になるべく備えたいという方は、ぜひ葺き替えをする機会に軽量な屋根材を選択してください。
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屋根の葺き替えのデメリット
屋根の葺き替えにはさまざまなメリットがある一方、デメリットもいくつか存在します。
実際に施工を依頼する前に、ぜひこちらもチェックしてみてください。
カバー工法より価格が高め
屋根の葺き替え工事は屋根材の撤去・処分の費用がかかる分、カバー工法よりも施工価格は高めです。
実際に、両者の価格の目安を較べてみました。
- カバー工法:100〜150万円
- 葺き替え:120〜210万円
屋根の葺き替えは屋根を丸ごと新しくできるのでカバー工法より費用は割高ですが、一度リフォームしてしまえば、その後も安心して長く住み続けられるというメリットもあります。
頻繁な修理補修は必要なくなるため、思い切って葺き替え工事をしてしまうのもアリでしょう。
カバー工法より工期が長め
葺き替え工事は、カバー工法よりも工程が多いため、工期も長めです。
- カバー工法:5日程度
- 葺き替え:7〜14日程度
工期は家屋の構造や天候によっても変わりますが、葺き替えの方が1週間ほど工期が長くなることもあります。
葺き替えを行う際は、余裕を持った施工計画がおすすめです。
屋根葺き替えの費用相場
ここからは、屋根の葺き替えを行う際の施工価格の目安や、気になる補助金制度について解説していきます。
葺き替え工事の費用の目安
屋根の葺き替え工事費用の目安は、30坪の二階建ての家屋で120〜200万円ほどとなっています。
屋根が複雑な形状をしていたり、急勾配だと施工価格は高くなりがちです。
また、既存屋根にアスベスト含有のスレート瓦を使用している場合も、撤去に手間がかかる分、価格は高くなります。
いずれにせよ、施工価格は業者によって大きく違うものです。
時間に余裕があれば、ぜひ3社程相見積もりを取り、施工価格やサービス内容を見比べてみてください。
屋根葺き替えの補助金はある?
屋根葺き替えの補助金の有無は、各自治体によって異なります。
また、葺き替え工事であれば無条件に補助金が出るわけではなく、以下のような工事内容である必要があるため注意しましょう。
- 省エネリフォーム→断熱性を向上させる/アスベスト含有屋根材の撤去… など
- 耐震リフォーム→重たい和瓦から軽量な金属屋根材に替える… など
耐震リフォームの場合は、築年数や工事後の耐震診断の判定に条件があります。
補助金を利用して屋根リフォームをしたいとお考えの方は、ぜひ一度お住まいの自治体のHPや窓口で、補助金事業が行われているか確認してみてください。
屋根葺き替えにおすすめの屋根材
ここでは、屋根の葺き替えに一押しな屋根材を3つご紹介します。
①エスジーエル鋼板
日鉄鋼板株式会社が製造販売する「エスジーエル鋼板」は、丈夫なガルバリウム鋼板に防サビ効果を付け加えた屋根材です。
非常に耐久性に優れており、ガルバリウム鋼板の3倍の耐食性を誇るとされています。
②ルーガ
「ルーガ」は、ケイミュー株式会社が製造するセメント瓦です。
重量は和瓦の半分ほどと軽量で、耐震性に優れているのが特徴。
色褪せしづらく、長期間美観を保てる屋根材です。
③ディーズルーフィング
「ディーズルーフィング」は、耐久性・耐熱性に優れたジンカリウム鋼板に、石粒でセラミックコーティングを施した屋根材です。
アメリカで製造されたものを、日本の会社が輸入販売しています。
表面の石粒が屋根を表情豊かに魅せるだけでなく、色褪せに強く防音性に優れた機能性の高さも嬉しいポイントです。
屋根葺き替えの注意点
ここでは、屋根の葺き替えをする前に知っておいてほしい注意点を2つご紹介しています。
実際に施工を依頼する前に、ぜひチェックしてみてください。
①施工中は埃・騒音が発生する
屋根葺き替えの施工中は、屋根材を撤去する時に埃や騒音が発生しがちです。
どれだけ丁寧に作業を行なっても、埃が舞うのを完全に防ぎ切ることはできません。
近隣との距離が近い場合、埃や騒音を巡ってトラブルに発展する可能性があります。
施工に取り掛かる前に、ご近所の方へ工事内容を説明する挨拶回りをすることは必要不可欠です。
挨拶回りは業者が行うのが一般的ですが、ご近所への配慮を軽視して挨拶回りを怠るような業者は、悪徳業者の可能性があるので注意してください。
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②金属屋根材から和瓦への変更は不可
もともと金属屋根材を使用していた場合、重量のある和瓦にリフォームすることは原則できません。
家屋は、新築時に使用する屋根材に対応して建てられるため、軽量な屋根材から重たい屋根材に取り替えると、家屋に負担がかかりすぎてしまいます。
金属屋根材を使用している場合は、基本的に金属屋根材からしか選べないと念頭に置くようにしてください。
まとめ
今回は、「屋根の葺き替え」について詳しくご案内しました。
「屋根の葺き替え」は、既存屋根の上に新しい屋根材を被せるカバー工法と違って、下地をしっかり補修してから屋根材を新しくするリフォーム方法です。
屋根材の撤去費用や下地補修などの手間がかかる分、カバー工法よりも工期は長くコストも高めですが、確実に屋根の耐久性を取り戻すことができます。
屋根の劣化がひどかったり、雨漏りに悩まされたりしている場合は、葺き替え工事で屋根全体を綺麗にしましょう。
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