外壁塗装について
外壁コーキングとは?寿命や費用相場を詳しく解説
大切な家屋を雨水の侵入や振動から守る「外壁コーキング」。
外壁コーキングはあまり目立つ存在ではないので、知らない間にひび割れが生じていた…ということもあるでしょう。
しかし、傷んだコーキングを放置していると、外壁全体の劣化に繋がりかねません。
そこで本記事では、外壁コーキングにまつわる以下の内容について詳しく解説しました。
・コーキングの特徴や寿命
・コーキングの相場費用
・コーキングは自分でできるのか?
外壁コーキングを業者に依頼する際のポイントも、3つご紹介しています。
本記事を読めば修理の費用感も掴めるので、コーキングの劣化にお悩みの方はぜひ参考にしてください!
外壁コーキングとは?
はじめに、外壁コーキングの基礎を解説します。
- コーキングの役割
- コーキングの耐用年数
- コーキング剤の種類
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
外壁コーキングの役割
外壁コーキングとは、サイディングボードなどの外壁材の隙間にコーキング剤を充填し、隙間をなくすための施工を指します。
外壁コーキングの主な役割は、以下の2つです。
- 外壁の隙間から雨水の侵入を防ぐ「防水の役割」
- 外壁を振動から守る「緩衝材の役割」
コーキングをしっかり行うことで、外壁材の隙間から雨水が入り込まなくなるので、防水性を保つことが可能です。
また、コーキング剤には弾力性があるため、振動を吸収する役割も果たします。
外壁は、常日頃、車の走行などによる振動の影響を受けています。
コーキングを行うことで衝撃を和らげることができ、外壁材にひび割れが生じるのを防いでくれるのです。
コーキングとシーリングの違い
コーキングについて調べていると、「シーリング」という言葉を目にすることがあるかと思います。
実は、両者にはこれといった大きな違いはありません。
業者によって呼び方が異なるだけで、ほぼ同義と捉えて問題はないでしょう。
外壁コーキングの寿命は5〜10年
外壁コーキングの耐用年数は、5〜10年とされています。
ただ、コーキングは紫外線や寒暖差の影響を受けて劣化するため、住環境によって寿命が多少前後すると考えてください。
耐用年数を目安にするのではなく、劣化症状を見つけた段階で業者に修理を依頼することが大切です。
10年以上コーキングのメンテナンスを行なっていない方は、業者の点検を受け、重大な劣化が起きていないか確認するようにしてください。
コーキング剤の種類
コーキング剤には主に以下の4つの種類があります。
- アクリル
- ウレタン
- 変形シリコン
アクリルが一番耐久性が弱く、ついでウレタン、変形シリコンの順に強度が強くなっていきます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
アクリル:安価だが耐久性は劣る
アクリルのコーキング剤は、水性の素材でできており、伸びが良いのが特徴です。
作業がしやすいというメリットがある反面、しっかり乾燥させないと雨水ですぐダメになるというデメリットも。
耐久性があまり強くないため、紫外線の影響を受けやすい場所では、すぐにひび割れが入ってしまうこともあります。
ウレタン:密着性が高いが塗装必須
ウレタンは、アクリルより耐久性が強く、外壁コーキング向けの素材とされています。
密着性が高くゴムのような弾力があるのが特徴で、ひび割れ補修にもよく使用される素材です。
紫外線に弱い側面があるため、日当たりの良い場所で施工する場合は必ず上から塗装をしなければなりません。
変形シリコン:価格は高めだが優れた耐久性
変形シリコンは耐久性に最も優れており、外壁コーティング剤としても非常に人気を集めています。
新築のサイディングボードやひび割れ補修など、外壁のあらゆる工事に使用することが可能です。
短い時間で硬くなるのもメリットの1つといえます。
価格が少し高いというデメリットがありますが、持ちの良さを重視する方にはおすすめのコーキング剤です。
外壁コーキングのやり方
外壁コーキングには、主に2つの工法があります。
- 打ち替え(打ち直し)
- 増し打ち(打ち増し)
一言でコーキングといっても、やり方で耐用年数や強度が全く異なるため、ぜひこちらもチェックしてください。
打ち替え(打ち直し):新しくコーキングを打ち直す
「打ち替え」は、すでにあるコーキングを全て取り除き、新しいコーキングを施工していきます。
耐用年数は7〜10年とされていますが、劣化しにくい環境であれば12〜15年ほど持つことも。
防水性や密閉性をしっかり確保できるため、外壁塗装の現場では打ち替えが採用されることが一般的です。
撤去費用が別途かかるため、工事費用は増し打ちよりも高くなりますが、外壁の強度を重視するなら断然打ち替えがおすすめです。
増し打ち(打ち増し):既存コーキングの上に施工する
「増し打ち」は、打ち替えと違い、既存のコーキングの上からさらにコーキング剤を充填していくやり方です。
劣化したコーキング剤が完全に直るわけではないので、外壁コーキングよりもサッシ周りでよく使われます。
既存コーキングの撤去がない分、短時間でできて安上がりですが、持って2〜5年と寿命が短いのがデメリット。
「安くても良いからとりあえず綺麗にしたい」という方向けの工法です。
外壁コーキングの相場費用
外壁コーキングの費用は、施工範囲をメートル単位で合計して算出するのが一般的です。
以下に、相場費用をまとめました。
打ち替えと増し打ちで費用を比較すると、10万円ほど価格が変わってくることが分かります。
費用相場 | 撤去費用の相場 | 足場代 | 合計金額の目安 (200m施工で足場を設置した場合) |
|
打ち替え | 900〜1200円/m | 1〜3万円 | 15〜20万円 | 40万円前後 |
増し打ち | 500〜900円/m | ーーー | 15〜20万円 | 30万円前後 |
1階の簡単な補修であれば足場代はかかりませんが、外壁全体のコーキング補修をする際は、基本的に足場代も加算されると考えてください。
価格だけを見ると増し打ちの方がお得に見えます。
しかし、打ち替えは10年ほど持つのに対し、増し打ちは5年ほどで次のメンテナンス時期が来てしまいます。
メンテナンスのたびに足場代がかかるため、長い目で見ると打ち替えで施工する方がお得です。
外壁コーキングの代表的な劣化症状
ここからは、外壁コーキングによく見られる代表的な劣化症状を紹介していきます。
肉やせ:要観察
「肉やせ」は、コーキングの劣化が始まった時に見られる症状で、外壁材との間にわずかな隙間が生じることで起こります。
施工時のコーキング剤が少ない場合にも見られる現象です。
すぐに修理が必要なわけではありませんが、寿命が近づいている証拠でもあるため、注意して見守るようにしてください。
ひび割れ:要観察
「ひび割れ」は、コーキングの表面に小さいヒビが入った状態です。
紫外線の影響でコーキングが硬くなり、表面が縮むことで生じます。
こちらも早急な対応が必要なわけではありませんが、放置しているとさらに状態が悪くなるため、ひび割れの段階で修理をしてしまう方が無難です。
剥がれ(剥離):要補修
「剥がれ(剥離)」は、壁材とコーキングの間に完全に隙間が空いている状態です。
コーキング剤の劣化や、プライマーと呼ばれる下塗り剤が不足していることでも生じます。
剥がれが生じていると、隙間から雨水が入りやすくなり、外壁にダメージを与えてしまいます。
最悪の場合、雨漏りに発展することもあるため、早急な修理対応が必要です。
破断:要補修
「破断」は、ひび割れの放置で引き起こされる症状で、コーキングの真ん中がぱっくり避けてしまうことを指します。
剥がれと同様、裂け目から雨水が侵入するため、外壁にとっては悪影響です。
コーキングに破断が生じていたら、速やかに業者に修理を依頼するようにしてください。
欠落:要補修
「欠落」は、経年劣化でコーキングが傷み、外壁から完全に外れてしまった状態です。
コーキングが欠落していると、外壁が風雨の影響をモロに受けることになります。
外壁の内部にまでダメージが侵食する恐れがあるため、できるだけ早く修理しましょう。
外壁コーキングは自分でできるか?
外壁コーキングのDIYは、1階部分の補修であれば不可能ではありません。
ホームセンターで材料が手に入るため、実際に自分で施工をする方もいます。
しかし、コーキングの施工はプロでも難しく、高い技術を要するものです。
作業に不慣れな方が行うと、見た目が汚くなったり、養生テープがハズレなくなったりといったトラブルが起こることがあります。
また、施工が甘いことでコーキング剤の機能が失われ、雨漏りを引き起こしてしまうことも。
プロにやり直してもらうことになると、余計な撤去費用がかかってしまいます。
費用を抑えるためのDIYでも、結果的に修理費用が高くつく場合があるため、初めから業者に施工をお願いした方が無難です。
また、2階部分を作業する際は、足場の設置が必要になります。
高所の作業は転落の危険性があるため、必ずプロに依頼するようにしてください。
コーキングを依頼する際の3つのポイント
外壁コーキングを依頼する際に、押さえておきたいポイントが3つあります。
- 複数社を比較する
- 気候が安定している春・秋がおすすめ
- 外壁塗装と一緒に依頼する
それぞれについて、詳しく解説していきます。
複数社を比較する
外壁コーキングを依頼する際は、最低でも3つの会社に見積もりを取って内容を比較しましょう。
価格の相場が分かるだけでなく、サービスの良し悪しも確認することが可能です。
依頼した施工業者に定期メンテナンスも依頼する場合、長く付き合いが続いていくことも考えられます。
円滑にコミュニケーションが取れるかどうかも大切なポイントなので、対応の丁寧さや返信の速さなども忘れずにチェックしましょう。
気候が安定している春・秋がおすすめ
外壁コーキングを依頼するなら、天候が安定している春と秋がおすすめです。
コーキング剤はしっかりと乾燥させないといけないため、雨が多い季節は不向き。
梅雨や冬場はなるべく避けるようにしてください。
夏場も作業には適していますが、台風が来ると工期が伸びるため注意が必要です。
■関連記事
外壁塗装と一緒に依頼する
外壁コーキングは、外壁塗装のメンテナンスと一緒に依頼する方が断然お得。
外壁塗装も、コーキングと同様10〜15年でメンテナンス時期を迎えます。
どちらの施工も足場を組む必要があるため、2つ一度に終わらせてしまった方が足場代が節約できるのです。
また、「価格が安いから」と増し打ちを提案されても、安易にOKしないようにしてください。
先にもお伝えしたとおり、増し打ちの寿命は持っても5年ほどです。
増し打ちで施工すると、外壁塗装の塗り替え時期とタイミングが大きくずれてしまうため、足場組が余計に必要になってしまいます。
「増し打ちで行う」と言われたら、他の業者をあたってみるのも1つの手です。
まとめ
本記事では、外壁コーキングの役割や工法などについて詳しくお伝えしました。
外壁コーキングの工法は「打ち替え」と「増し打ち」の2種類がありますが、よほどのことがない限り打ち替えを選択することをおすすめします。
外壁コーキングは、住宅を風雨や衝撃から守る大切やな役割を果たしているので、確実に耐久性が確保できる施工を行いましょう。
浜翔ペイントでは、コーキング補修のご依頼もお受けしています。
ご希望の予算やご要望に合わせて、最適な施工をご提案させていただくので、どんなことでもぜひご相談ください。
お見積もりは無料です。
コーキングの劣化が気になる方はお気軽にお問い合わせください。